小さな工務店が、健康宣言から翌春の初認定にたどり着くまで
| 企業(架空) | 株式会社アオバ工務店 |
|---|---|
| 事業内容 | 注文住宅・リフォーム |
| 従業員 | 10名 |
| 所在地 | 地方都市・地域密着 |
※ 守秘義務保護のため、実際の支援経験をもとに再構成した架空の企業・事例(モデルケース)です。
大工・現場監督・事務あわせて10名の地域工務店。「健康経営なんて大企業の話でしょう」と社長自身が思っていました。きっかけは同業者の集まりで健康経営優良法人の話を聞いたこと。若い職人の応募がゼロという悩みに、何か手を打ちたかったのです。
健診の受診は個人任せで受診率は7割。喫煙率は高く、事務所も営業車も煙が当たり前。一方で、朝のラジオ体操だけは創業以来ずっと続いていました。
衛生委員会も産業医選任も義務のない規模。だからこそ、協会けんぽの健康宣言と、朝礼・LINEでできる小さな取り組みを軸に、大きな費用をかけずに回る設計にしました。創業以来続く朝のラジオ体操も、立派な「運動機会の取り組み」として記録に載せることに——ゼロから作るより、すでにあるものを活かすのが近道です。
就業時間内の受診と再検査費用の補助をルール化し、受診率100%に。結果の見方を社長と一緒に確認し、配慮が必要な人の働き方を調整しました。
受動喫煙対策として営業車と事務所を禁煙にし、ルールを明文化。メンタルヘルスの相談窓口を決めて全員に周知し、外部講師を招いた従業員向けの健康研修も実施しました。夏場のWBGT計と休憩ルールも含め、どれも認定基準に対応する取り組みとして記録しました。
点検すると、36協定の届出が数年前のままになっていました。残業や休日出勤をさせるなら、会社の規模に関係なく36協定の締結・労基署への届出・従業員への周知が必要です。毎年の更新サイクルを決めて整備し、あわせて勤怠から残業時間を毎月確認して、増えた人には早めに声をかけるルールにしました。長時間労働への対応は、認定の評価項目のひとつでもあります。
8か月分の取り組みを整理し、申請書に落とし込み。小さな会社の実態がそのまま評価される書き方に仕上げました。
10人の会社に大企業のやり方を持ち込まないこと。健康宣言+朝礼とLINEでできる取り組みに絞り、「記録に残す」ことだけ丁寧にやったのが認定への近道でした。
※ 認定要件は経営理念・組織体制・制度施策・評価改善など多岐にわたります。ここで紹介したのは取り組みの一部です。
8か月の伴走で申請(8〜10月)まで完走し、翌年3月の発表で健康経営優良法人(中小規模法人部門)に初認定。求人票や名刺、現場の看板に認定マークを載せたところ、ハローワーク経由の応募が前年の2倍に。金融機関との会話でも認定が話題になり、「人を大切にする会社」としての信用が形になりました。取り組みのための新たな設備投資や増員は行っていません。
支援期間 8か月(取得伴走)→ 翌年からは更新サポートへ